おやおや、まさかこのような場所に人の子が迷い込んでしまわれるとは……。

 失敬、わたくし、魚蛇(うおた)と申します。地と水の狭間に存在するこの次元の管理者をしております。

 本来、人の子がここへ迷い込んで来られることはめったにありません。なにせ、あなた様の生きる次元とは違う次元なのですから。


 そうですね……元の次元に戻るには来た道を引き返せばよいのですが、なにぶん、この次元は複雑な構造でしてねぇ。

 時間が経てばその道は変わられてしまい、帰り道は塞がれてしまいます。また道が出来るには、少しばかりお時間がかかるかと。


 ……どうか、泣かないで下さい。あなた様のその美しいお顔に、涙は似合いませんから。

 どうです?その帰り道が再び開かれるまで、わたしのお話を聞いてはみませんか?すぐに終わる短いお話を2つ、3つ……。

 ささ、そうと決まればこの椅子にお掛け下さい。


 ――では、話しますよ?

 最初は『川』のお話です……。


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