「蒼様、里沙様についていてくださりありがとうございました」 「いえいえ、俺は里沙と一緒にいられてよかったですから。一晩ついていたいってワガママを言ったのは俺ですし」 蒼が強く想ってくれていることが感じとれて、嬉しさと恥ずかしさが込み上げてきた。 「それにしても―…、マツさんは蒼のことを覚えてた?」 「ええ。小さい頃の里沙様は蒼様の話ばかりしていましたから」 そうだったっけ? 話したことはあんまり覚えてないな…。