「もしかしてっ、浦部…さん、ですか?」 何も言わない中沢くんに女の子が質問をする 浦部って、あたしだよね? 浦部って名字はこの学校ではあたし一人のハズ。 「――…浦部さん?どうしたの、こんなところに突っ立って」 「も、森脇さん…」 タイミング、悪すぎです。 沈黙を破り言葉を発したのは、図書室に行こうとしているであろう、司書の森脇さんだった。 「里沙?いるの?」 ばっ…、バレてしまった。