“あたし”を呼んだ訳ではないよね。 あたしの名前なんか知らないと思うしね。 「んっ…」 うっすらと中沢くんが目をあけた。 起きちゃったよ! あたしはどうすればいいの? こんなに近付いて、あたし完全に中沢くんから見たら変なヤツだよ。 逃げてしまおうか…と、ふと顔を上げた瞬間、バチッと目が合う。 時が止まったような感覚に陥る。 「綺麗――…」 しばらく彼の瞳を見て、思わず口から出てしまった言葉。