僕の愛した生徒



それからしばらくして、
ふと僕が園内にある時計に目をやると、その大きな時計の針は文字盤のてっぺんを指していた。


それで僕たちは昼食を取ることにしたが、お昼時の休憩所は人でごった返し、屋台も長蛇の列。


それを目の当たりにして、
僕たちは思わず顔を見合わせて苦笑いした。


「お昼は後にするか?」

「それがいいね」


奈菜は再び苦笑いを僕に見せた。



そこを出ると、少し歩いた所に空いたベンチが一つあった。

奈菜も僕と同じ事を考えていたらしく、自然と僕たちの足はそこへ向かう。


その途中に列のない屋台が一つ僕の目に止まった。

僕は奈菜に先にベンチに座っているように言うと、ソフトクリームを買いにその屋台へ向かった。


そして、買ったそれを2つ手にして、奈菜の座っているベンチを目指す。


奈菜は僕の姿に気づくと


「先生〜、こっちだよ」


とベンチから立ち上がり手を振った。



その途端、周りの視線が一斉に奈菜に注がれる。


奈菜はハッとしたように俯いて、上げた手を弱々しく下ろし、ベンチに腰を下ろした。