藤岡は一回目の洗濯を干し終えると、汗を拭きながら大きく息を吐いた。
洗濯機は休むことなく二回目の洗濯物を洗っている。
今はその音だけが響く。
僕はパイプ椅子に座ろうとした藤岡に先ほど買ったミルクティーを差し出した。
藤岡は不思議そうに僕を見て
「いつも頑張ってる藤岡にご褒美」
僕がそう言うと藤岡は頬を緩め
「ありがとうございます。
私、ミルクティー大好きなんです」
と嬉しそうにそれを受け取った。
藤岡がミルクティーを好きなことは知っている。
休憩時間になると、いつも藤岡の席にはミルクティーの缶が置いてあるから。
藤岡はミルクティーの缶を両手で包むように持ち、一口飲んで幸せそうに微笑んだ。
そう言えば玲香もミルクティーが好きだったな。
そして一口飲んでは、今の藤岡のように幸せそうに微笑んでいた。
藤岡は玲香とは年齢も、なにもかもが違うのに
その仕草、表情は似ていて
僕の記憶の中の玲香を呼び覚まさせた。



