僕の愛した生徒



僕は夜がくる度に、孤独と不安に襲われた。

時にそれに押し潰されそうになるが、
そんな時には目を閉じて、記憶の中の奈菜の笑顔を抱きしめ、泡沫の夢を見る。


でも、目を開けると全ては消え去り、抉られるように痛む胸。


それをどうすることも出来ない僕は、冷たいベッドに潜り込み、天井を見つめる。



そんな夜を何度も越した。




僕はずっと

僕が奈菜の傍にいなければ……
奈菜の手を引かなければいけないと思っていた。


でも、本当は……


奈菜がいなければならなかったのは僕の方。

奈菜が僕の傍からいなくなって、
世界は色を失った。

前に進むことも出来ないのは僕。



いっそのこと

全てを忘れられたら

奈菜を嫌いになれたら


……どんなにいいだろう。



奈菜のどこが好きだったかなんて
思い出せないのに、

今もまだ、奈菜は僕の中から出て行ってくれない。



今になってようやく分かった……




奈菜がいた意味……