僕の愛した生徒



それから仕事納めまでの三日間は

なかなか時間が取れなくて、部活で登校している奈菜とも会えないまま、

僕は約半年ぶりに実家に帰った。


久々の実家ではのんびりと過ごし
しばしの休息。


そこで迎える新しい年は、姉ファミリーや親戚が揃い宴会状態が続いた。

母と姉はつまみを作ったり、お酒を注いで、甲斐甲斐しく動き回り、

座っている人間はお酒がまわり、程よく酔って大きな声で話しだす。


もちろん、僕もほろ酔い気分で座る人間の一人。


しかし、こうゆう席には必ずと言っていいほど、お節介なおばさんはいるものだ。

しかも、密かに僕はその叔母さんが苦手。

去年はやけに愛想がいいと思えば見合い写真を持ち出してきて、しきりに縁談を勧められ、うんざりした。



……そして

今年もまた、その叔母さんのターゲットは、まだ独身の僕。


「いい人はいないの?」

僕にとって耳の痛い話は毎年この一言から始まる。

その後は
“従兄弟の優くんはね……"などと叔母さんの知りうる情報を散々聞かされ、結婚について云々かんぬん。



僕は終わりそうにない話を適当な愛想笑いでかわして、途中でトイレへ行くフリをして席を立つ。



きっと、最後は

「早く親に孫の顔を見せてあげなさいね」

とゆう言葉で締めくくられるに違いない。



本当に余計なお世話だ!

そもそも、僕がいつ、誰と結婚しようが叔母さんには関係ない話じゃないか。

それに、“いい人がいる"なんて言ってみろ。

今度は相手の事を根ほり葉ほり聞くに決まってる。


それに、僕の今の実情を話せば、親族一同、腰を抜かすぞ?


だって、彼女は17歳年下の女子高生。その上、僕の現役の教え子なんだからな!


でも、普段から“いっそのこと、女子高生と付き合えば?"なんて冗談を言っている義兄は笑うのかな。



次に部屋へ入る時、
僕は敢えて叔母さんから遠い場所を選んで座り

煩わしい話を聞くこともなく、
美味しいお酒とつまみを口に運んだ。