僕の愛した生徒



「秀、苦しいよ」


そう言って僕を見上げ苦笑いを向ける奈菜。



僕は自分が思っている以上に
奈菜を力強く抱きしめていたようだ。



だって、いつもみたいに抱きしめても奈菜の熱が伝わってこないんだ……


僕が奈菜から腕を解くと、
奈菜はマフラーとコートを脱いで

長い髪を耳にかけながら

「この部屋、暖かいね」

と微笑み、雑にそれを畳んで机の上に置いた。


それと同時に椅子に腰を下ろした僕は

手を伸ばして奈菜の腕を掴むと強引に引き寄せて、
バランスを崩す奈菜を自分の膝に座らせた。


そして、後ろから回した僕の手は奈菜の両手を握る。


奈菜の手は今日も……


「奈菜の手、相変わらず冷たいな」

「でも、それを秀が温めてくれるんでしょ?」


僕は奈菜の髪を掬いキスをして、
唇を左耳に移動させる。


「そのつもりだよ」


そう囁いて耳にもキスを一つ。


擽ったそうに首を捩らせる奈菜。

僕はそんな奈菜の伸びた右の首筋に唇を這わせる。


奈菜はそれにも反応して

「擽ったいよ」

と、腰を捻らせ僕の方に顔を向けると、

僕はすかさず奈菜の唇を塞いだ。


そのまま僕は奈菜の中に舌を滑り込ます。

奈菜の舌は不器用に僕の舌の動きに合わせて角度を変えていき

僕はそれを絡ませながら
手を奈菜のスカートの中へ忍び込まそうとした。


しかし、それを奈菜の冷たい手が止める。


僕たちを繋ぐ銀の糸が切れると
奈菜は

「ここ学校」

と、子犬のような目で僕を見つめた。


「知ってる」

「じゃあこれ以上は無理ですよ?

小野先生?」


奈菜はイタズラな顔で小さく笑い
僕の膝から立ち上がった。