僕の愛した生徒



僕は再び玲香の唇を塞ぐ。

そして、僕も玲香の隣に横になると、片腕を玲香の肘枕にして、その腕で自分を支え、

もう一方の手でシャツのボタンを外しながら、キスを降らせていく。


そして、僕の唇は玲香の耳元から首筋を這って、
既に大きく開いた胸元に移動した。



そこで

閉じていた目を開けると……




そこには




僕が付けた覚えのない跡。

知らない痕跡。




僕は玲香に回していた腕を抜き、上体を起こし開いたシャツを両手で戻した。



「秀平、どうしたの?」


玲香も上体を起こし、

僕はベッドから足を下ろして、玲香に背中を向ける。


「悪い……
今日は帰ってくれないか?」



何故だろう?

こんな時でも…いや、こんな時だからこそか?

自分でも驚くほど冷静でいられた。



「突然どうしたの?」


不思議そうに尋ねる玲香。


「気づいてないのか?」

「なにを?」



玲香は惚けてるのか?

それとも本当に知らないのか?



「胸のとこ、キスマークついてる」



しばしの沈黙の後、慌てるように言い訳しようとする玲香。


「こ、これは違うの」

「なにが?」

「だから…これは……」



「言い訳はたくさんだ!

それに初めての事じゃないだろ?

帰れ!!」


僕は自分が思うよりも大きな声を出していた。


背中から玲香が鼻を啜る音が聞こえる。


「……頼むから帰ってくれ」


僕は前屈みになり両手で頭を抱え懇願するように言うと

玲香は自分の胸元を押さえながら
寝室を出て、

リビングに置いてあった鞄を持って部屋を出ていったようだった。