僕の愛した生徒



雑誌のそのページを開いたまま、
それをテーブルの上に乗せ、

僕に凭れかかった玲香は僕の膝に手を置く。


それは、玲香が構って欲しい時の仕草。


僕は側に置いてある枝折(しお)りを挟んで本を閉じた。



「どうした?」


僕が玲香の方を見ると、

「別に」


とそっぽを向いた。

でも、その玲香の顔には隠しきれていない笑みが広がっている。


「そう?」


僕がワザと納得したふりをして、再び本を手にしようとすると、

玲香はその手を止めるように、僕の腕に玲香の腕を絡ませて、上目遣いに僕を見てほんわか微笑んだ。


「どうした?」

「だって雑誌に飽きてきたから」

「だから?」


ちょっと意地悪に訊く僕。

それに口を尖らせる玲香。


「ウソだよ」


そう笑って、
僕の腕は玲香の腕を解いて肩を抱く。


「秀平、たまに意地悪になるよね」

「そうか?」

「そうだよ。そんなんじゃ、生徒に嫌われちゃうよ?」

「ある意味、生徒に嫌われてなんぼの商売かもよ?」

「開き直り?」

「そうとも言う。
けど、意地悪は玲香だけかも」


そう言って僕は玲香の唇に唇を合わせた。