僕の愛した生徒



玲香と過ごす穏やかな午後の時間はゆっくりと進む。


ソファーに座り、僕が本を読む横で、玲香はファッション雑誌を見ていて、
たまに会話を交わす。


特に一緒に何をするわけでもなく
会話もたいしてないけれど、そこは居心地のいい空間。


もう、昔のようにお互いときめかすような事もない。

でも、何もない日常の中に玲香がいる、ただそれだけで心は満たされていた。



玲香は不意に僕の隣を立ち、見て
いた雑誌をテーブルの上に置いてキッチンへと向かい、夕飯の支度を始めた。


しばらくすると、部屋の中に漂い始めたカレーの匂い。


僕は鼻歌を唄いながらキッチンに立つ玲香を横目に見て、読みかけの本に目を落とす。



少ししてから


「秀平、夕飯ができたけど、もう食べれそう?」

キッチンから玲香の声がして、僕は時計に目をやる。

時計の針は6時半を指していて


「もう少し後でいいよ」

と、僕が答えると

玲香は再び僕の隣に腰を下ろして
さっきまで見ていた雑誌に手を伸ばした。


「今日はカレー?」

「そうよ。
秀平、好きでしょ?」


玲香はそう言いながら、雑誌を捲っていった。



「ねぇ、秀平。
このキャミ可愛くない?
買っちゃおうかな?」


僕が自分の本から目を離すと、玲香が雑誌の写真を指差していて、

それに注目する。



ダメだろ。

それ露出しすぎ。



「玲香には似合わないよ。
こっちの方がいいんじゃないか?」


僕は玲香が指差していた隣の半袖の服を指差す。


「そう?
でも、秀平がそう言うならそうしよ」



こんな風に素直な玲香がたまらなく愛しかった。