しばらく夜景を眺めていると、
隣にいる奈菜は胸の前で腕をクロスし、両手で二の腕をしきりにさすり始めた。
昼間はまだ暖かいと言っても
さすがに秋だ。
夜は肌寒さを感じずにはいられない。
「奈菜、車に戻ろうか?」
「うん、ちょっと寒くなってきたもんね」
二人で戻った車の中。
僕はエンジンをかけ、エアコンをつけて車内を暖める。
「そろそろ行くか?」
僕が尋ねると
「もう少し、ここに居たい」
奈菜は前屈みになって、フロントガラス越しに空を見上げながら答えた。
「ねぇ、秀?
人と人が出会う確率ってどの位だと思う?」
「さぁ、考えた事なんてないな」
「きっとね、人との出会いって、今日のこの星の数よりも少ないんだろうね。
でも、その中で出会えた秀と私は奇跡だと思わない?」
ずっと星だけを眺めていた菜奈が澄んだ瞳で僕を見つめた。
「そうかもな」
「ねぇもし、あの一番光ってる星が秀なら、私はどの星?」
奈菜は沢山散りばめられている星の中で、ひときわ強い光を放つ星を指差しながら訊いた。
僕もフロントガラスを覗き込み、
奈菜が指したであろう星を見つめる。
「そうだな〜
その星のすぐ隣にあるのが奈菜かな?」
「本当に?」
「そんな事、嘘ついてどうする」
僕を不安げに見つめる奈菜に、
そう言って笑いかけた。



