車は色とりどりのネオンが立ち並ぶ見慣れた景色を通り過ぎ、
今は外灯がところどころにポツンとひっそりと立つ山道をグネグネと上がって行く。
そして、辿り着いた僕の目的地。
奈菜の顔には優しい笑顔が広がり
僕はサイドブレーキを踏んで、エンジンを止める。
「降りてもいい?」
そう訊く奈菜に僕が“いいよ”と答えると、奈菜はシートベルトを外し、車のドアに手を掛けるとそこを降りて、簡単な作りで出来ている柵の側に駆け寄った。
僕も奈菜を追いかけるように車を降りて、奈菜の横に立つ。
視界いっぱいに広がる光。
ところどころに赤や緑のネオンも混じっている。
奈菜はそれに感動しているように
ただそれを眺めていた。
「綺麗だろ?」
僕が話しかけると、それに放心だったらしい奈菜の体はビクッと反応した。
「初めてここの夜景を見た」
「そう?この夜景を奈菜に見せてやりたかったんだ」
ようやく目の前の夜景から顔を逸らした奈菜は僕を見た。
「ここに連れてきてくれてありがとうね」
「あぁ。
奈菜、上も見てごらん」
そこには満天の星が輝いている。
「空が近い」
そう零した奈菜は瞳を輝かせた。
「凄いだろ?」
「すごすぎる!」
奈菜は、はみ出しそうな笑顔を僕に向けた。
「元気になった?」
首を傾ける奈菜。
「今日の奈菜は元気なかったからさ」
奈菜は僕を見つめ頷いて
「ありがとう」
そう健気に微笑んだ。



