僕の愛した生徒



窓の外は

沈んだばかりの太陽を名残惜しむようにオレンジで染める空を、

すぐそばまできている夜が藍色に染めようとして、見事なコントラストを描いていた。



奈菜はとうに冷めているミルクティーを口に運びながら、たまたまテレビで放送されている恋愛映画を見ている。


それも終盤にさしかかり、目に涙を溜めている奈菜の前に、僕がティッシュペーパーの箱を差し出すと、“ありがとう”とそれを抜き取り、目に当てた。

そして、奈菜はそのまま僕の肩に寄りかかり、僕も奈菜の肩に腕を回して、
寄り添うようにそれを見ていた。


流れ始めたエンドロール。


僕は、まだその世界にいる奈菜に声を掛けた。


「奈菜」


少し赤い目をした奈菜が僕を見つめる。



僕はそっと奈菜の唇に唇を重ねた。


それを離すと奈菜はまた、あの悲しい瞳で僕を見つめ、


「ねぇ、秀は……」


と言いかけて目を伏せた。


「なに?」


奈菜は僕の声に首を横に振り、
僕を上目遣いに見つめて


「秀が好きだよ……」


と儚げに微笑んだ。



僕は奈菜をギュッときつく抱きしめ、もう一度唇を合わせる。


そして、僕はそれを深めていき、奈菜の服の裾から手を滑り込まそうとすると、それを奈菜の手が止めた。


同時に唇を離した奈菜は、


「秀、ごめん…
今日は…その…あの…
お、女の子の日で……」


しどろもどろに、僕から目を逸らしながら話した。



……ウソ?



僕は“そうだったんだ”と
ワザと騙されて、

奈菜の服の中から手を出して、頬にキスをし、口に軽くキスをした。