いつからだろう

俺は神様に祈る事をやめた


彼女を病気にした事、

彼女に苦しい思いをさせた事

ずっとずっと神様のせいにしてた


俺達は周りから見れば可哀想だと思われているのかもしれない

だけどきっと神様でも知らない


俺と彼女は今この瞬間でさえ幸せを感じている事に


叶うならオレンジロードの頂上で、俺達の好きな町を眺めながら今と同じ事を思いたい



『ちょっとスピード上げるからしっかり掴まってて!』

俺は足に力を入れ、進むスピードを早くした

顔にかかる風が強くなり、俺の髪の毛を大きく揺らす

ひたすらペダルをこぎ3時間後、サイクリングロードの看板が見えてきた


広い駐車場の先には木造作りの建物があり、ペンションみたいに綺麗だった


そこには貸し出しの自転車、ヘルメットや洋服まであり、シャワーやプールも利用出来るみたいだ


夏休みが昨日で終わった今日はあまり混んでいなく、スムーズに受付をする事が出来た


有料のサイクリングロードは大人は500円、子供300円


本格的なサイクリングをしたい人は全てをレンタルするらしいが、一般の人は自分の自転車を利用する


タオルや飲み物を買う事を進められたけど、俺は料金だけ払い受付を済ませた


サイクリングロードの道のりは木造作りの家の奥になっていて、お金を払えばそこに入る事が出来る



『行こうか』

外に止めていた自転車を動かして、俺はサイクリングロードへ足を踏み入れた