月日は流れ、俺達は高2になった
学年は変わってもクラスや担任は変わらず、さほど変化はなかったが…
やっぱり“進路”という言葉を耳にする事が多くなった
『幸汰は進路どうするの?』
いつのも帰り道、彼女がふっと聞いてきた
初めはお互い照れながら呼び始めた名前だったけど、今はそれが自然になっている
『俺は………』
声を出したと同時に俺達が別れる道に差し掛かった
---キィ…とお互い自転車にブレーキをかけた
『俺はまだ何にも決まってないよ』
その言葉を聞いた彼女は『そっか』と微笑み、俺達は別れた
正直、彼女に嘘をついたのはこれが初めてだった
進路なんて考えたくないけど、考えなくてはいけない
そう思った時に一番に浮かんだのはこの町を離れるという選択肢
考えなくてもこの町に住んでいる学生ならほとんどがそうだと思う
大学や専門学校に行く気はないけど、就職するならこの町で探すのは難しい
だけどきっと、彼女はこの町を離れない
出会った時からずっと思っていた事
俺もこの町が好きだし、彼女が残るなら残りたい
田舎町にだって多少働く場所はあるし、車の免許さえ取れば少し遠くにだって通える
でも現実問題はやっぱり厳しい
女性はなんとかなっても、男である俺が手に職つけるには範囲が狭すぎる
遠距離になったって上手くいくカップルは居る
だけど当たり前のように毎日一緒に居た日々を思うと不安になった



