『いま大丈夫?』


「うん。内容分かった?」


『うん。マジであんだけ金額違うの?』


「2週間前、夏川さんからもらった金額はあれだったよ」



電話口でうーんと唸った秋山さんは、予想通りの答えをくれる。



『一回確認するから、その見積書保留しといてくれる?』


「はーい」



電話を切ってホッとする。


勘は捨てたもんじゃない、うん。


意外とスルーしそうなものほど、後々面倒を引き起こしたりする。


やっぱり勘は信じよう。



そんな事を思いながら一旦、やりかけた部分にフセンを貼った私。


ファイルを閉じて、次の仕事に取りかかった。