目の前にある料理に夢中で、全く気にしてない様子。


横に座ったサラリーマンの集団の視線を浴びまくってるのにもかかわらず……



「エリちゃん、これ美味しいよ」


「ははっ……じゃあ、いただこうかな」



無邪気な笑顔で勧められた料理に箸を付けようとしたその時……



「…………分かってない」



ボソッと小さな声が聞こえる。



「ん?」


「お前さ、完全に蚊帳の外だって思ってんだろ?」


「…………はっ?……んぐっ」



モグモグと食べながら秋山さんの言葉を頭の中で復唱する。



蚊帳の外?


なんじゃそりゃ?



「え?もしかして自覚なし?」


「相変わらず天然だろ?」



てっ、天然?


誰が?