「ごめんね」
「……えっ?」
気がつくとサヨさんが小さな声で呟いた後、目の前で俯いていて。
表情は見えない。
確かに今日の事は、夏川さんと事前に連絡を取り合っていて。
偶然を装ってこの場で鉢合わせさせたんだと。
だけど、悪気があった訳じゃなく。
サヨさんは説明を終えた後、真っすぐな視線を向けて……
「エリちゃんの役に少しでも立てたらって。いつも話を聞いてもらってるし」
そう言って、少しだけ形のいい眉を下げたんだ。
ふと……
もしかして、サヨさん自身も理由をつけて夏川さんと過ごしたかったんじゃないかって。
そんな考えが頭をかすめる。

