まさか好奇心からアナタの事調べてますなんて言えません。


……さすがに。


ユキ先輩が入れてくれたコーヒーに口を付けて曖昧に笑ってみた。



「そういえば、ソウは名字だよな」


「ん?ってか、名前まで覚えんの大変じゃねーの?」



得意先との電話を終わらせた秋山さんも会話に参加してきて。


夏川さんは不思議そうな顔をして秋山さんを見ている。



「これあるから覚えるじゃん、普通」



そういって首からかけられているネックストラップを持ち上げる。



それはIDカードの入ったネームフォルダー。