そして……
一瞬目が左右に泳いだのを見逃さなかった。
｢あっ、信号青になったよ｣
｢あっ、ヤベッ｣
とっさに話を逸らしてしまいながらも、少しだけドキドキする。
だけど、それは……
夏川さんが浮かべた表情とさっきの沈黙が原因だ。
｢……エリちゃんさぁ｣
｢……何？｣
｢また……遊んでくれる？｣
｢……は？｣
｢俺今日、全然自然体だったんだ。楽チンっての？肩の力が抜けたって感じ｣
｢私は……｣
いいけど……
アンタはそれでいいのか？
顔を見ながら心の中で問いかける。
チラッとこっちを見た夏川さんと視線が合う。
