教室を出たあたしは近くにある土手に向かった。 小さい頃からよく来ていたこの土手。 何か嫌なことがあったら、いつもここへ来ている。 あの二人がいなくなってから、あたしは毎日のようにここに来ている。 土手に着いたあたしは、坂のところに寝っ転がった。 「…空は…広いな…」 あたしはポツリとそうつぶやいた。 「この空を見てると…嫌な事…忘れられる…」 「……美優……」 そうつぶやいたら、あたしの頬を一筋の涙が伝った。 あ…また思い出しちゃった… あたしはすぐ涙を拭った。