昼休み、友理の所へ、佐紀が来た。
「友理、もうちょっと速く走れない?
早く帰って来ないと、次の練習に
入れくなるよ」
「ウチかて、一生懸命、走ってるやん。
せやけど、あれが限界やわ」
「自分で限界を決めたら、
進歩は、無くなりますわよ」
華子も、佐紀の隣に、やって来た。
「そうだよ。努力して、
タイム、縮めるようにしなくちゃ」
「ウチ、ビリ、ちゃうもん。
ナツさんやカズさん、確か、
後ろを走ってたのに、
ウチが帰ってきたら、もういてるやん
あれ絶対、ズルしてると思うわ」
「坂道3周を、省いているのでしょうね
じゃあ、あなたも、省いたら?」
「いいや、それは、やらへん。
それをやったら、ナツさんの事、
文句言われへんようになるやん」
「おっ、友理、エライ!
あの遅さは、真面目に走ってる
証拠だもんね」
「佐紀、それ、褒めてんの?
けなしてんの?」
「ハハハ、両方、かな?」
「もうー」
「すべては、自分のためなのですから
サボって、良い事なんか、
何もありませんわ」
「そうだよ、だから友理は、偉いんだよ
ちゃんと、走ってるもんね。
でも、もう少し、速く走ろうねっ」
「うん、努力してみるわ」
「ここで、”やる”と言わないのが、
友理の、いいところですわね」
「それ、褒めてんの?」
「さあ、どうでしょう」
「もー、華子までぇ」
ぷっと、ふくれる友理。
それを見て笑う、佐紀と華子。

