部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


明美は、コーチである坂井の経営する、
店の前にいた

中に入ろうと思うのだが、なかなか、
一歩が、出ない。

頭の中では、どう言おうかと考えるが、
いい言葉は、なかなか見つからなかった。

どうしても、自分は悪くないという思いが、
先に立ってしまうのだった。

しかし、皆を説得できなかったのは自分だし
それはキャプテンとして、
あってはいけない事だと思い直し、
決心して、店の中に、入って行く事にした。


  「こんにちはー」


  「いらっしゃ……、おぉ、アケか。
   まあ、そこに座れ」


コーチは、近くの椅子を示したが、
明美は、その横に立っていた。


  「今日は、どうした。練習は?」


  「この前は、すみませんでした。
   キチンとやりますので、
   また、教えに来てください」


明美は、そう言って、頭を下げた。


  「そのことか。
   何で、2年生は、走らないんだ?

   この前の試合を見たら、
   走らなきゃならない事は、
   わかっているだろう?」


明美は、明確な返事が、出来なかった。


  「走ろうと、言ったんですけど……」


  「お前、キャプテンだろうが。

   もう、何でヤァは、お前みたいなのを
   キャプテンにしたんだろうな」


明美は、下を向き、唇を噛んだ。


  「まあ、いい。とにかく、走れ。
   後の事は、それから考えよう」


  「はい、わかりました」


明美の声は、聞き取りかねるほど、
小さかった。