体育館。
1年生は、ランニングに出ていて、
2年生が、自己練をしていた。
入り口に、コーチが現れた。
それを見つけた明美が、
「あっ、集合!」
全員、走って、コーチの所へ行く。
「こんにちはー」
「うん。今日は、これだけか。
1年生は、どうした?」
「1年生は、走りに行っています」
「お前たちは、何をしてるんだ?」
「1年生が帰ってくるまで、自己練を」
明美の声が、次第に小さくなって行く。
それに反して、コーチの声が、
大きくなって行く。
「何でお前たちは、走らないんだ」
「それは………」
明美は、答えられなかった。
「お前たちも、走ってこい!」
「今からですか?」
「そうだ。俺はもう、帰る!
ちゃんと、走っておけ!」
そう言ってコーチは、帰ってしまった。
「コーチ、帰ったじゃないの。
何か、用事で来ていません、って
言っとけば、よかったじゃん」
「バカ正直なんだから」
「そんなの、すぐ、バレるよ。
嘘は、よくないよ、嘘は」
「あーあ、
走らないといけなくなったじゃん」
「あんたのせいだからね」
「だから、最初から、
走ろうって言ったのに」
皆が、口々に文句を言うたび、
明美の顔が、悲しそうになって行った。
「じゃあ、行くよ」
みんな、ランニングのため、
体育館を、出て行った。
しかし、その足取りは、重かった。

