昼下がりの教室。
佐紀の前の席の祐太は、どうやら、
寝ているようだ。
時々、頭が、カクッとなる。
しかも、食後だからではなく、
1時間目から、そうであった。
“だけど、成績はいいんだよね”
佐紀は、不思議でならなかった。
“遅くまで、勉強してんのかな?”
しかし、ガリガリやるタイプにも、
見えなかった。
中間テストを返された時、祐太の点が見えた
別に、見せる訳でもなく、隠すでもなく、
自然にしているので、チラチラ、
見えてしまうのだった。
ほとんどが、佐紀より、いい点数だった。
一度、どんな勉強をしているのか、
聞いた事があった。
「勉強は、学校でするモンでしょう。
それだけだよ。
俺は、仕事を家庭に持ち込まない
タイプなんだ」
「でも、いつも、寝ているのに」
「寝てなんかないよ」
祐太は、佐紀がいくら言っても、
“寝てない”の、一点張りだった。
しかし今、前で、舟を漕いでいる祐太は、
絶対、寝ている。
その時、祐太の筆箱が、飛んで落ちた。
あわてて拾う、祐太。
佐紀は、自分の経験から、
“夢の中で、ボールが飛んできたんだな”
と、思った。

