1年生の集団の横に、弥生が来た。
「みんな、応援、ありがとう。
チナ、あなたの声、よく通るわね」
「はいっ、ありがとうございます。
それだけが、取り柄ですので」
佐紀が、弥生に話しかけた。
「あのう…、
一つ、訊いていいですか?」
「何?」
「試合中、タメでいいからと、
言ってましたが、
2年生はみんな、”弥生さん”って、
呼んでますよね」
弥生は周りを見回し、
2年生がいない事を確認すると、
「そう、わかったんだ。
あなた、鋭いわね」
「ちょっと、気になったので」
「2年生はね、自信がないみたいなの。
もっと決断して、
好きにやってくれても、いいんだけど。
3年生に、頼ってしまうのよねえ。
失敗してもいいって、
いつも、言ってるんだけど、
失敗が、怖いみたい」
弥生は、華子を見て、
「あなた、前に”統制がとれてる”って
言ったわよね。
2年生は、言われたことは、やるのよ。
でも、自分から何かをしようとは、
思わないみたい」

