明美は、
「でも、これは伝統だから、
逆らえないのよ」
「アケさんは、
悩んでいたのと違いますか?
私を、キャプテンに
していいのかどうか。
私にキャプテンは、無理です。
私は、キャプテンは、
佐紀がいいと思います」
全員が驚いて、一番後ろにいる佐紀を、
振り返って、見た。
「えっ、私?」
皆の注目を浴び、佐紀は戸惑った。
それを聞いた明美は、
「あなたには、かなわないわねぇ。」
そう言うと、大きく息を吐いた。
「その通り。
ずいぶん、悩んだよ。
私も、今まで見てきて、
佐紀が一番いいと思う。
でも、皆が認めるあなたを外して、
佐紀をキャプテンにしたら、
佐紀が、苦労すると思ったの」
「去年のアケさんの様に、ですか?」
その質問に、明美は何も言わなかったが、
横から麻紀が、
「もう、それは言わないでよ。
十分、反省してるんだから」
笑顔で言う麻紀に、皆も、笑顔になる。

