華子が教室を出ようと、出口を見ると、
ちょうど、祐太が出て行くところだった。
そういえば、さっきの教室でも、
祐太がいたのを、華子は思い出した。
“ははーん、わかったぞ”
華子は、佐紀の行動パターンが、読めた。
これは、見逃す手はない。
華子は、次の教室へ行くまで、
どうすれば面白くなるか、
盛んに考えを、廻らせていた。
佐紀たちは、体育館へ行った。
体育館では、暗幕が張られ、少し薄暗かった
フロアには、椅子が敷き詰められ、
舞台では、3年生のバンドが演奏していた。
「今日はここで、練習できませんわね」
華子は、そう言いながら、祐太を探した。
“いた、いた”
祐太の横の席は、“空いてる!”
華子は、スッと佐紀の前に出て、
席を探すフリをして、歩いて行った。
祐太のいる列に来ると、
「ここにしましょ」
そう言うと、佐紀を先に、入らせた。
佐紀が、3つ目で座ったので、
「もう少し奥に、詰めましょうよ」
そう言って、佐紀を奥に、行かせた。
佐紀が、祐太の所まで行くと、祐太を見て、
“ハッ”と緊張したのが、わかった。
その反応に華子は、楽しくて仕方なかった。
華子は、何も知らないフリで、席に着いた。
仕方なく、佐紀も、席に着いた。
佐紀の緊張感が、ビンビン伝わってくる。

