「お待たせしました」
部屋から出るともうみんな出ていた。
「せっかくだから温泉街に行こうか」
「はい。行きます」
そんなに有名ではないがここもちょっとした温泉街
何かと栄えているようだ
「髪の毛あげたの?」
可奈子ちゃんが聞いてきた。自分もすればよかったって言う口調だったから、なんか悪い気がする
「うん。あげてもらったの。ごめんね、声かければ良かったよね」
「ううん、ただかわいいなって思っただけだよ」
「ありがとう」
やっぱりいい子だ
温泉街は旅館から近くて、平日といえど多くの人でにぎわっていた
「どこ行こうか?」
「そこの一番大きな土産物屋なら何でもあるんじゃない?」
「じゃあ、そこに行こうか」
一番大きなところはお菓子とか、キーホルダーとか、アクセサリーとかとにかく数も種類もかなりある。何時間かはいれるような立派なところ
「ほら、手出せ。人多いから迷うぞ」
「なに気取ってんの?」
誠が気取ってる。迷ったって、少し歩けばみんないるのに。そういってみんなまちまちに買い物を始める。
私が思うに、こういうみやげ物のお菓子って、結構一緒だよね。ちがうのはパッケージとか、たまに焼印が入ってるってぐらいの差にしか思えない
そんな皮肉れた私がここで何かほしいなんて思うわけないでしょ