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「あ、遠藤、おかえり。
なあなあ、飯どーする? 一応な、俺、コンビニでお惣菜は買って来たんだけど。メシも炊いておいたぞ」
仕事から帰宅。
リビングに入ると優しい奥さんがメシを作って…、くれているわけもなく、年齢詐欺をしている15の親友がイソイソと台所を動き回っていた。
虚しいねぇ、この光景。
自分から望んだバツイチだとはいえ、やっぱあったかい飯は女に作ってもらいたいもんだ。
いや夕飯を作ってくれているだけ贅沢は言わないけどさ。
「俺も惣菜は買ってきた」
スーパーで買ってきたメシを見せれば、
「んじゃ夕飯の用意すっから」
惣菜を皿に並べてラップを掛け始める。レンジで温めてくれるらしい。
ご丁寧な親切心だこと。
いつも散らかっているリビングがやけに綺麗なのは、坂本が泊まりに来ているからだろう。
俺が仕事で留守している間、何かに役立とうとした結果がこれだ。
俺じゃあ掃除なんてろくすっぽうしねぇからな。
スーツから家着に着替えてテーブルに着くと、「あいよ」頼みもせず冷蔵庫から缶ビールを取り出してきてくる。
まったくデキた居候さんだ。
気分的にはシングルファザーだぜ。
親父帰宅。
息子出迎え。
パパ、今日も一日お疲れさん。
おう、今日もパパは一日頑張ったぜ、みたいな?
……阿呆か、俺は。