「適当だな」呆れ気味の親友に、「俺は大真面目だって」一笑を零す。


人生どう転ぶか分からないけど、親友が困っているなら手を貸す。

それが親友の務めだろ?


伊達に15年間、お前を捜し待ち続けていた俺じゃないんだ。


そうやって暗い方向ばっか考えるなよ、坂本。
 

俺とお前は同級生だった。

背は俺の方がちっと高かったけど、一緒に馬鹿して、笑って、泣いた、気の置けない友達。


お前が消えちまってどんだけ心配したか、寂しかったか、辛かったか。


今じゃすっかり背丈も雰囲気も歳も違うけど、やっぱ俺の中で坂本は親友なんだよ。

15の坂本だろうと、さ。
 


「お前見てるとさ、15に戻りてぇや。お前とサッカーをしたいよ」
 


すると坂本、「アラサーでもできるだろ?」俺、オトナにも負けねぇぞ、負けん気の強い台詞が返ってきた。


ほら、こういう会話をしているだけで思い出す。


15年前の俺とお前のやり取り、楽しかったあの頃、大好きだったあの日々が。


我が儘を言えば、いつまでもこの状況が続いて欲しい。

切に願う、俺がいた。