そのままゴミ箱にまっすぐ向かい、ちりとりを傾けたとき。 このままじゃだめ。 …どこかから、声が聞こえた気がした。 「…………っ、」 無意識というより、半ば反射的だった。 捨てる直前だったゴミの中から一欠片、花びらを拾い上げた。 わたしが小さく千切ってしまったそれ。 …なんとなく、持っていたくて。