わたしの、未練にまみれた想いのように。 「……だいすき、だったよ」 無意識に指先がなぞるのは、恢に付けられた赤い痕。 首筋に鮮明に残る赤い刻印は、わたしを昨日の記憶に縛り付けるようだった。 まるで、忘れるなんて許さないと。 そう言っている気がして。 恢がくれた熱は、まだ、この身体に残ってる。 「…暑い…熱い……あつい…」 ―――熱が、引かない。