バスが発車し、
合宿先まで時間がかかる。



どう暇を潰そうか考えていた。



「ゴリーチャー!
大人気無いよ!」



妖精はキャンキャン喚き、
ゴリと戦っている。



「何とでも言え!
校外学習の時みたいにはいかないからな!!」



ゴリーチャーはマイクを強く握り締めた。
妖精が力でゴリに勝てる筈が無い。




ゴリは笑みを浮かべながら
尾崎豊の「I LOVE YOU」を歌う。



…のり姉の方を見て。



正直、かなりウザイ。



「ゴリーチャー!
キミは尾崎を歌うべきでは無いよ!」



妖精は耳を塞いで嫌がった。
確かに、ゴリは超が付くオンチだった。



のり姉は知らない間に、
アイポットを使用していた。



それを知ったゴリは脱力し、
そのせいで妖精にマイクを取られてしまった。

海に着くと、
私達はバスから降り、合宿所へ向った。



合宿所は海のすぐ側で、
小さな民宿の様だった。



「ここは、
馬小屋かい?

ケインの為に用意してくれたんだね」



なんと、
民宿の大きさは、妖精にとって住める範囲では無いらしい。



「アホ言いなや。
ここにウチ等泊まるねんで。

ってゆうか、小杉今日来てへんやろ?」



「いるよ!!」



妖精はそう言って小杉を連れてきた。