悩んでも結果は出ないので、
三人はお菓子を買いにコンビニに向かった。

学校近くのコンビニ。
ヤツは五百円分のバウムクーヘンを買っていた。



「何でバウムクーヘン…」



他のも買えばいいのに。
ヤツの考えている事はさっぱり分からない。



「貴族はバウムクーヘンを食べるって決まってるんだよ」



お前は貴族か。
てゆうか、そんなんはじめて聞いたわ…。



「ミッキーは何をそんなに買っているんだい?」



「え、
チロルチョコのきなこ餅」



それは、
私の両手にこぼれそうな程乗っていた。



「ミッキー。
人の事言えないよ。」



妖精は呆れた顔で私を見る。
その時、どこからか聞きなれた声がした。



「なあ、ソーメン。
きなこ餅めちゃ美味くない?」



……兄貴だ…。
てゆうか、兄貴もきなこ餅買いにきたんか…。



それより、ソーメンって…。




「待てよ、ワカメ。
僕はチョコレートを持って行く事はお勧めしないよ。」



…え?
染五郎さん??



「何でやねん!
ええやないかっ!!あれは口に入れたらホンマにきなこ餅やぞ!!」



「いや、もうすぐ夏だし、
最近暑いじゃないか。溶けるよ。」




『あ……』


それを考えていなかった、と
私と兄貴の声がハモった。



そのせいで兄貴に存在がバレた。