顔を洗ったあと、
リビングに向かって食卓についた。



………すると。


ピポーン。


ピポピポピンポーン。



ワカメの味噌汁を見て不機嫌そうな兄貴。



そんな兄貴を見てほくそ笑んでいると、
玄関のチャイムが鳴った。



「長谷川かな?」



長谷川とは、隣の家の男の子。私とは同じ年で幼なじみ。


「なんで長谷川がこんな早くにウチ来んねん?」


兄貴はワカメを別の器によけて味噌汁をすする。


ピポピポピポーン。



「うざいなあ。
兄貴、早よ出えや。」



「俺が出んのかい!」



ドタドタドタタタタッ!!



玄関から聞こえる足音は、
間違いなく長谷川のものだった。