アデュス。 聞いた事があるような、ないような。 何処の国の人の名前だろうか。 「アデュス、って?誰?」 凛の返答に、遥都はちょっと笑って首を振った。 「知らないならいいの。変な事聞いてごめんなさいね」 「あ、うん」 そんな二人の様子を、爽が廊下の中程から黙って見つめていた。