そんな私を優香里は目を見開いて顔を近づけてきた。



「ええっ!じゃあ彼氏いない歴24年ってことですか!?」



優香里のバカデカイ声に、メイクを直していた女の子たちが一斉に私に注目した。



「ちょ…、あんた声でかいよ」



私は恥ずかしくて俯いた。



「でも、別に処女じゃないっしょ」



メイクを直しながら嫌味のように話す女は、麻奈だ。


私を一番嫌っている女だった。



客に本気で好きになったが、相手が私を好きだったというよくある話を、いまだに根に持ってる。



「だったら何?私は男じゃなくてお金と寝たの」



そう、いつだって私を抱ける男は年収五千万以上。



贅沢をさせてくれたら、愛なんていらない。