ペテン師の恋

絵を運んだり、受付の机を倉庫へ運んだり、意外と片付けは大変だった。





ハイヒールを履いていた私は、途中から裸足で行動した。





こんなことをするのは初めてだ。






辛い、大変な作業はいつだって男がやってくれていたから。それは、学生の時からずっと変わらない。





だけど、たまには自分でこうして動くのも楽しく感じた。





こんな、楽しいなんて感じることなんて物心ついてから初めてだ。





自然に笑みが溢れるなんて、私にもまだできるんだね。





朱一といると、何故か知らない自分を知る。





何故だろう?





私は知らない自分ではなく、あなたが知りたいのに…





見えてくるのは、いつも自分の姿だった。