でも、こんなところで乱されるわけにはいかない。




みんなの目が在るんだから。




私はすぐに切り返し、さっきの恥を羞じらう演技に変えて返事をした。




「いいんですか?有名な作家さんが私みたいなキャバ嬢連れ込んで」




彼は私の顔を見ると妖しい笑みを浮かべた。




「君みたいなお人形のような女性なら、ファンも諦めがつくだろう」




そういって、彼は私を抱きよせた。




彼の香水はどうも、私のバランスを崩していくようだ。




でも、彼もやはり私がほしいのだと、勝った気でいた。




あなたの心は微塵も動いてなんていなかったのにね。