ペテン師の恋

そんな不安を抱えていても、私は仕事になるといつでも仮面を被れる。




心を見透かされたことだってない。




いつだって、落ち着いた笑顔で接客でお客さんに安らぎを与える職業なんだから、私事を出してはいけない。




この道に入ってもうすぐ10年、15歳のときはこのクラブの裏で働きながら女の人たちの美も汚も見てきた。




そして、16歳の誕生日、私は自分で貯めたお金でカクテルドレスを買い、ママにも相談せずに接客を始めた。




初めは止められ、バックで怒られたけど、「やってみせる」その意志の強さをママに伝えると、ママは厳しい顔のまま、


「やってみなさい」




その日から1ヶ月でNo.1の座をものにし、継続している。




16歳でも大人顔負けの、母から授かった容姿と接客術を最大にいかしていった。