ペテン師の恋

心当たりある人物には、誰も当てはまらない行動。




私と面識ない人なのかも知れない。




水商売では私の顔は知れているらしいし、私が知らなくても私を知っている人は結構いる。




「我々もこの辺りの巡回の強化していきますが、朱美さんも十分気をつけてください」




「わかりました。ありがとうございます」




こうして、刑事は去り、私とママとケイは店の開店準備を始めた。




「なんとか、他の娘くるまえに終わってよかったわ」




ママは事務仕事をしながら、タバコに火をつけて言った。




「そうね、でも山田さんを陥れる女の子に心当たりないからひっかかるのよね」




「この世界入ると、知らないうちに敵は増えるものよ」




ママも過去にいろいろ経験してきた。私がママと過ごすようになってからの間にも多々問題があったため、私も見てきた。




「大丈夫、あんたには私がついてるから」




見えない敵と日々闘っているママは、私にとって大きな支えだ。