ペテン師の恋

誰かが私を狙ってる…




憎まれているかもしれない。




心当たりありすぎてわからない。




私に通う男達の本妻の嫉妬やクラブ内でも、私に客をとられたとか訳のわからないことを言う女もいる。




客だって、山田みたいに無理に私に通い、貢がせておいて、プライベートでは会わないことに不満を抱えてる人もいる。




「心当たりありすぎて、わからないや」




そうつぶやくと、ママは大きなため息をついた。




「本当にあなたは、手のかかる娘なんだから」




そういって私の頭をポンポンと触ると、キッチンへいった。




「ごめんね、でも、ダメな娘のほうが愛情わくでしょ?」




私は茶化すように言った。




「ばーか、調子にのらないの」




ママは優しく微笑んで言った。




本当の親子のようにはなれないけど、私とママは確実にあの日から約10年偽りな親子としての絆も深まってきていると思う。