ペテン師の恋

ベランダへ出ると、肌寒い冷たい空気に包まれた。








空を見上げると、綺麗な満月に都会じゃ珍しい綺麗な星空が広がっていた。









「綺麗ね」









私は、じっと満月を見つめていた。









すると、朱一が絵本の続きを話始めた。









あたかも、続きが書かれているかのように。










「牢屋に入れられて数年、姫は相変わらず、綺麗で何も変わらずペテン師を愛し、帰りを待ち望んでいました。

そして、毎日欠かさず、左手を月に翳し、祈りを捧げていました…」









話の途中で朱一は私の左後ろに立ち、私の腕を満月に翳した。










まるで、絵本の姫のように…









「お月様、お願いです。彼が私の元に戻ってくれますように、わがままな性格も直しました。彼が戻ってくるなら、なんでもします…だから、彼を返して…………そう月明かりに祈りを捧げた瞬間、あのときのように、朱色の光りに包まれました」