ペテン師の恋

「わがままで悪かったわね。だけど、性格は直せないわ、気持ちも…」










私は、今にもまた泣いてしまいそうな顔で朱一を見つめた。









そんな私の頬に触れ、笑顔で私を見つめた。









「久しぶりに会ったんだ、泣き顔より笑顔が見たい。大人びて見えるのに、笑顔だけは幼いんだからな」










朱一の冗談に自然と笑みが溢れた。









やっぱり、朱一は不思議な存在だ。些細な一言で私の表情を変えてしまう。










「この絵本の続き、教えてよ」









私も朱一が手にした、絵本をのぞきこんだ。









「続き…そうだなぁ…」









朱一は少し考えて、急に立ち上がった。








「今日は月が綺麗だったな。月みたら思い浮かぶかも」









朱一は、私の手を引き、ベランダへ出た。