ペテン師の恋

出るのを戸惑っていると、電話越しからチャイムを聞いていたのだろう、朱一が気をきかせて言ってきた。








「お客さんか?出たほうがいい」









「そうね、ちょっと待ってて…」









私は、渋々、涙をふき、玄関を開けた。









「はい…」










私が玄関を開けると、見覚えのある顔が顔をみせた。









「ただいま」










「朱一…」










呆然とする私を、朱一は優しく包んでくれた。









懐かしい朱一の香りに包まれ、私も朱一にしがみつくように抱きついた。











ずっと、待っていた。









この香りはいつだって、私を安心させてくれる。