ペテン師の恋

姫は泣きながら月に祈りをしました。









「彼が必ず帰ってきますように…」









すると、月が明るく光り、姫に語りかけました。










「あなたの信じる心があれば、大丈夫でしょう。彼から一つ贈り物がありますよ。左手を翳しなさい」









姫は言われた通り、月に手を翳しました。









すると、次はさらに明るく光り、姫は耐えきれず目を瞑りました。









光が消え、姫はゆっくり目を開きました。









そして、左手をみると、ひかる朱色のリングが左の薬指についていました。









ペテン師からの贈り物、肌に離さずずっと着けていました。









きっと、ペテン師が戻ってくることを信じて…−−−