ペテン師の恋

全く違う世界に住む二人、だけど、本当に求めていたものは、自分という人間を必要だといってくれる相手でした。









それに、初めて二人は気づいたのです。










「僕は罪を償いましょう、今から魔法を解きます。すると、皆は僕を捕らえるでしょう」









「でも、そんなことをしてしまえば、私は、あなたと会えなくなってしまう…。離れるのはイヤ…」









姫はペテン師にすがり付きました。そんな姫をペテン師は包むように抱きしめました。









「僕は、あなたにふさわしい人間になりたい。罪人としての…ペテン師としての自分はもう終わりにしたいのです」









ペテン師の真剣な願いに、姫は静かに首を縦にふりました。









「罪を償ったら、改めてあなたに逢いにいきます。約束しましょう」









そういって、ペテン師は皆にかけた魔法をときました。









そして、城の牢屋にペテン師は入れられてしまいました。